学習塾の選び方
コマ塾が八王子市の万町に開校してから1年が経ちました。入塾面談の際には常に「学習塾の選択は子どもとの相性が最も重要」と伝えています。どの学習塾もそれぞれ特色がありますので、以下の3つの項目で学習塾を分類し、それぞれのメリットとデメリットを紹介したいと思います。これらの情報を参考にして学習塾を選ぶ際の判断材料としていただければ幸いです。ただし、以下の内容は私個人の意見であり、必ずしも全ての塾に当てはまるわけではないことをご了承ください。
①大手塾 or 個人塾
まず、学習塾における大きな違いは経営体制です。地域や全国に展開している大手塾と個人が経営している個人塾があります。
メリット | デメリット | |
大手塾 | 定期テストの過去問が豊富 一定水準の授業内容 | 学生講師が多く社員異動で雰囲気が変わる 生徒数が多く、均一的な対応になりやすい |
個人塾 | 面倒見が良い事が多い 講師・教室長が変わらず安心 | 講師・教室長次第 全く合わない場合がある |
大手塾は安心感があります。多くの講師が在籍しているため、相性が合わない場合でも講師の変更が可能な事が多いです。また、講師には授業の進め方や指導方法の研修も行われているため、一定の授業水準が保たれていると考えられます。
個人塾は教室長によって大きく異なるため、その塾の質は教室長次第です。個人塾経営者の多くは教育に対する熱意を持って取り組んでいる印象があります。相性が合えば、子どもの人生に大きな影響を与える存在となるでしょう。
②集団 or 個別 or 自立学習
現在の学習塾において、主流となっている指導形式は大きく3つあります。それぞれ、集団授業、個別指導、自立学習です。
メリット | デメリット | オススメタイプ | |
集団授業 | 一斉授業で授業料が安い 学力によるクラス分けがある | インプットが多く演習不足 家庭学習で補う必要がある | 自校作成レベル 学習習慣がすでにある生徒 |
個別指導 | 少人数で見てもらえる 質問がしやすい | 学生講師が多く授業料が高い 講師によって質がバラバラ | 基礎/基本レベル 質問を多くしたい生徒 |
自立学習 | 授業の質が均一で授業料が安い 個別カリキュラムで学習 | 教材と生徒の相性がある | オール3前後のレベル 演習時間を確保したい生徒 |
集団授業といっても一度に指導する人数は様々です。小集団として8人程度の塾もあれば、20〜30人と学校と同様の規模の塾もあります。講義形式の授業で進むスピードは速めであり、演習問題は家庭学習で解く必要があります。自主的に勉強時間を確保できる場合には効果的です。特に都立高校や難関私立高校を目指す場合には、集団授業が適していると言えるでしょう。
個別指導も一度の指導人数は様々です。1人の講師に1〜2人の生徒の指導をイメージする場合もありますが、実際には、6人の生徒に1人の講師のような場合もありますので、注意が必要です。学生講師の割合が高いため、生徒との年齢が近く、コミュニケーションを取りやすいのが特徴です。個別指導は単に勉強に特化したものではなく、コミュニケーションの中でやる気を引き出し、勉強に繋げることを目指しています。自主的に取り組む力が不足している生徒には、個別指導が適しているかもしれません。
立学習は、最近10年間で急速に増えてきた新しいスタイルです。授業をデジタル化することで、授業の質を均一に保ちつつ、学習カリキュラムの管理に重点を置いています。効果的に学習内容をインプットし、演習問題に取り組む時間を確保するスタイルです。一方で、ある程度自主的に取り組む力も求められます。学習時間が十分でないオール3前後の生徒に適していると言えるでしょう。
学習塾によっては、これら3つのスタイルをハイブリッド形式で組み合わせている場合もあります。集団授業と自立学習、個別指導と自立学習など、様々な組み合わせが存在します。学習塾を選ぶ際には、どのスタイルを提供しているのかをしっかりと確認し、自身に合ったものを選ぶことが重要です。
③進学型 or 補習型
高校受験を意識した指導が進学型で、中学校の定期テストなどを意識した指導が補習型です。
メリット | デメリット | |
進学型 | 早期に受験勉強をスタートできる | 内申や定期テストの対策は自分で行う |
補習型 | 内申や定期テスト対策が充実 | 難関校の受験に対応していない |
進学型の学習塾は、主に高校受験に特化した指導を行います。早期に受験勉強を始めることで、学習の基礎を固め、難関校合格を目指すことができます。中学3年生の4月には中学生の学習範囲を終わらせている場合も多いです。一方で、進学型の学習塾は全ての教科に対応できるわけではありません。特定の教科に重点を置いた指導を行う場合があります。また、クラス分けテストなどを定期的に実施し、他の生徒との競争も激しくなる傾向があります。
補習型の学習塾は、中学校の定期テストや内申点の対策を中心に指導を行います。学校の授業内容に合わせて補習を行い、学校の成績向上を目指します。進学校や難関校を目指す場合には、補習型の学習塾だけでは不十分な場合があります。中学3年生の9月~12月の間にスタートする場合がほとんどです。
以上が学習塾を分類し、それぞれの特徴やメリット、デメリットについての説明です。ただし、これらは一般的な傾向であり、全ての学習塾に当てはまるわけではありません。学習塾を選ぶ際には、自身やお子さんのニーズや目標に合わせて、複数の学習塾を比較検討し、面談や体験授業などを通じて実際の雰囲気や指導内容を確認することが重要です。